2020 May. 20

退院に向けて

謎の発熱も止まり元気になったのはいいのだが、ずっとベッドに寝たきり状態だったのでその後のリハビリのキツイこと。足にまったく力が入らない…、そんな経験がなかっただけに、立ち上がることや歩くことがこんな大変なのかと病人の哀れをイヤというほど味わうことになる。それに加え、低血圧ですぐにフラッとなる情けなさ。これまた縁のなかった車椅子での移動がやっとこさという状況が続いた。

その後、日々のリハビリのおかげで体力も徐々に回復していき、車椅子から自力で歩けるようになり、リハビリの先生と一緒に初めてナースステーションの前を身体を支えてもらいながら歩いて通った時、ステーションにいるナースさんたちから「うわぁ〜歩いてる!」と、一斉に拍手が起きたときはさすがに照れたけど、入院生活も長くなるとチョイとしたことでも感動するもので、ナースさんたちの優しさに涙腺が緩む。

一斉に拍手

しかし、退院が近づいても腎臓から尿を体外へ排出させる左右の腎盂バルーンカテーテルを取り外すことができなかった。最悪の場合、管をつけ尿パックをぶら下げたまま退院ってなことがあり得ると言うではないか。チョッと待ってよ、堪忍してよ、一体どんな格好で退院しなきゃいけないの?

でも深く考えても仕方ない、ここからはお得意のイマジネーションの世界にどっぷり浸る。尿パックを、肩に掛け背中に回したショルダーバックに収納し、そのバッグをヨージ・ヤマモト風のオーバーブラウスで隠せば大丈夫じゃないか…ってなことを真剣にというか能天気に想像して退院までの日々を過ごす。

有難いことに、退院の1週間くらい前にはカテーテルを取り去ることができ、入院以来初めての管なし状態になり安堵する。後は残り1週間ほどでしっかり歩けるようになるかどうかが問題。歩けなければ車椅子で退院という選択もあると言うが、自分の中にはそんな選択肢はなく、どんなことをしても1人で歩けるようになり、自力で帰ることしか考えられない。

こうだと決めると我ながら頑固である。今までになく必死でリハビリに励み、何とか自力で歩けるようになり、見事退院。ただし、次回入院する時は大手術が待っている。

この約1か月半の退院生活は、ある意味ボクに残された大切な時間であった。謎の発熱で三途の川の渡し船に乗りかけただけに、手術では何が起こるか分からない。コントじゃないけれど、ドクターがメスを持ったままクシャミして大事なところをブスッってなこともあり得るなんて考えるようになってくる。ま、冷静に考えるとおバカな話だが、きっと精神状態がカオス状態だったに違いない。

 


 
 
 
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