2020 july. 15

誘惑に負けるな!

仔猫と過ごす楽しい時間との誘惑になかなか勝てない情けない状況に、エッセイの執筆が遅々として進まない今日この頃。1年前は抗癌剤治療が終了し、手術前に一旦退院し、そして再入院した時期である。7月の中頃に手術したので、ほぼ1年が経過したわけで、ボクの勝手な判断では余命4年ということになる。

術後1年ということで、先週病院に行きCT検査などをしてきた。そして、明日再度受診して診断を仰ぐという段取り。多分、再発や転移などはないと思っているが、こればかりは神のみぞ知るである。

CT検査
画像はイメージです

初めての入院生活は独り暮らしの長かったボクにとってはなかなか快適であったことは否めない。入院もいいものだ…なんて能天気に思ったりもした。ただ、今後再び入院しなくてはいけなくなった場合、正直なところきっとしないという選択肢を選ぶだろう。仔猫との生活を棒に振ってまでもう1度入院生活はしたくはないし、娑婆での享楽をしばらくの間とはいえ封印する勇気はなくなってしまっている自分がいる。

ネコちゃんたちのためには長生きしなくてはならないのだが、しばらく彼らと別れることはひじょうに辛い。まだそんな段階ではないのだが、勝手に妙なジレンマに陥っている子育て奮闘中のジジイである。

そして、今書いているようなダラダラとしたユル〜い読み物ではなく、出版を目標にしたキッチリとした文章を並行して執筆しないと、ボクに残された時間は少ない。なんせ多くの人々に感銘を与えるストーリーを上梓することがボクのライフワークと思っている。ま、「笑い」を提供できても「感銘」は難しい気がする。

入院当初からどのような読み物にしようかというプランはある程度決めていた。当然、内容的には同じような体験談がメインになる予定だが、切り口をチョイと変更し、語り部、カッコよく言えばストーリーテラーを登場させようと考えている。その大役にはボクのリハビリを担当した若い先生にお願いし、その彼が病院で出会った興味深いジジイと過ごした濃密な入院時間を振り返るってな内容で展開させようという目論見。

自分を主人公として自身のことを書き綴るのはけっこう恥ずかしいもので、どうしても自虐的な内容になってしまう。その点、第三者の視点から客観的に眺めてみるのは面白いと思っている。

余談ながら、もしこの物語が映像化になった時には、この重要な語り部役には配役候補が存在する。その若いリハビリの先生は何となくジャニーズの風間俊介っぽい雰囲気が漂っており、彼が最適のキャスティングだと考えている。

風間俊介

ボク役のキャスティングを誰に託すかという問題は極めて難しい。そこで考えたのが主人公不在というプラン。つまり、顔が映らないカメラアングルを駆使するって方法しかないと思っている。チョイと斬新で面白い映像になるんじゃないかと、我ながら悦に入る。

実際、入院中にリハビリの先生とはボクの身の上話で大いに盛り上がった。けっこういろんな事をぶっちゃけるジジイの波乱万丈の人生は若い先生にはかなり刺激的でエキサイティングな話だったようで、リハビリというよりボクの独演会に費やした時間が多々ある。

ただ、もう少しリハビリを真面目に取り組んでおけばもう少し早く楽になっていたかも…と少々反省している。

もう少しリハビリを真面目に取り組んでおけばもう少し早く楽になっていたかも…

入院中は妙な精神状態であったことは確かである。若い先生を相手に自身の歴史を振り返り、こんな男がこの世に存在したという生きた証というか人としての存在意義を見出そうと実証しているような不思議な感覚を味わっていた。誰かに伝えることによって、まるで自分がどのような人生を歩んできたかということを見定めようとしているようなものである。

しかし、そんなに特別な人生を歩んでいることもなく、華やかなドラマがある訳でもなく、結局何処にでもいそうな普通のジジイであることを痛感した。ま、そういうものである。ただ、何気ない日常を切り取ればいろんなドラマが存在するし、見方によれば魅力的な大事件が勃発している可能性もある。自分にとっては普通の出来事であっても、人からすれば「お〜!」と思えることかも知れない。自分の常識は、人からすれば非常識ってなことは多々ある。

オートバイオグラフィー的小説のラストシーンはすでに決まっている。ストーリー自体を入院中に考えたため、精神的に脆くなっている状態であることは否めない。そのためラストシーンを口に出そうとすれば自然と涙が出てしまう為体ぶり。すっかり涙腺の弱くなったジジイである。今でもその症状は続いているので、やはりラストシーンは出版された本で確認して下さい(なんつって)。

さぁ、頑張って執筆を始めよう!ただ、仔猫たちの誘惑を克服するには並々ならぬ勇気が必要である。


 


 
 
 
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